グローバル・ビズ・サポート株式会社

家事ハラ


今日は「家事ハラ」についてのお話です。弊社はハラスメント防止研修を開催して
おり、参加者から様々なお話やご相談を頂くようになりました。最近ではセクハラ、
パワハラ、マタハラ以外にアカハラやモラハラなど初めて聞くと何のことか理解に
苦しむものを含め、ネットで検索すると30種類近くが紹介されています。

つい先日聞いた「家事ハラ」は夫には笑えないハラスメントです。妻が夫に対して
家事の協力にダメ出しをする行為だそうです。例えば「やり方が違う」「やり方が
下手」「かえって手間」「後から自分でやり直す」などなど。住宅メーカーの旭化成
ホームズが先月実施した調査(全国の子育て中の30~40代の共働き夫婦1,371人)
によると、自宅で家事を手伝う夫が93.4%、「家事ハラ」を受けた経験がある夫は
65.9%でした。そして「家事ハラ」を受けてやる気がなくなった夫は89.6%でした。
特に食器洗いや洗濯物干しで多く発生しているようで、家事に不慣れでも懸命に
手伝おうとした夫が妻の”流儀”に気づかなかったのかもしれません。

ところが「家事ハラ」の本来の意味は、ジャーナリストの竹信三恵子さんが出版した
『家事労働ハラスメント~生きづらさの根にあるもの』(岩波新書)の中で創出した
造語でした。家事労働の蔑視・無視・排除といった嫌がらせ(ハラスメント)で、
これを担う人々(主に女性)に大きな不利益をもたらしている社会システムの歪みを
取り上げ、「家事ハラ」によって経済力を持ちにくい立場に置かれたことが女性の
貧困の増加を招いていること、男性もまた、家事労働という生にかかわる労働から
排除され、ワーク・ライフ・バランスを欠いた「働く機械」として生きることを
余儀なくされていると指摘されました。

「家事ハラ」の定義を巡って正反対の解釈をされた竹信さんが旭化成ホームズに
対して抗議しているようです。どちらの定義が腑に落ちるかはそれぞれの経験に
委ねるとして、家庭でも職場でもお互い感謝の気持ちを忘れずに、”ハラハラ”
しない事が大切ですね。

「妻の家事ハラ白書」:旭化成ホームズ
(http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/kajihara/index.html/)
「家事労働ハラスメント―生きづらさの根にあるもの」:竹信三恵子著
(https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1310/sin_k732.html)